一茶 煤くさき笠も桜の降日哉 4月15日(旧暦 閏二月二十五日)土曜日 虹始見
煤(すす)くさき笠も桜の降日哉 一茶
「東西の花に散り立られて、心も山にうつり行といふ日は、三月二十日也けり」と前書、掲句を記して「山下常楽院*に、人々こぞりてとふとむ仏おはしけるが、ことし千百年の供養なりとて、読経いと殊勝也…花桶に蝶も聞かよ一大事**」「上野なる清水の糸桜はいつか青葉となりて」『散こそ花ハ愛(めで)たけれ』と嘯き、角田堤、浅草などにも遊んだ記録「花見の記」が残されています。
「文化句帖」文化五年三月二十日(1808年4月15日すなわち215年前の今日)の条に「晴。山下五番阿弥陀参。上野角田川随斎の花見也」あります。
この日は他に、ぼた餅や迹(あと)の祭りや桜ちる、咲く花に武張り給はぬ御馬哉、菫咲て手凹(てのくぼ)程の名所哉 など数多く吟詠が残されています。
*常楽院長福寿寺、今の上野広小路にあった行基の開創と伝えられる寺院(戦災により調布に移転)。江戸六阿弥陀第五番と称され、六阿弥陀詣りで賑わった。**昨日の「雀子も」の句と等類か。芭蕉は「他の句より先我が句に我が句、等類すること知らぬもの也。」と述べたと三冊子にあるが、一茶は気にしない。
chatGPT斎* 今日の一句 月夜に 舞う花びらが 白く映える

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