芭蕉 吉野にて桜見せうぞ檜木笠 4月19日(旧暦 閏二月二十九日)水曜日

吉野にて桜見せうぞ檜木笠 芭蕉 

貞享五年三月十九日*(1688年4月19日すなわち5年前の今日)、吉野山に向け伊賀上野を旅立つ折の吟。

「笈の小文」に「弥生半過る程、そゝろにうき立心の花の、我を道引枝折となりて、よしのゝの花におもひ立んとするに、かのいらご崎にてちぎり置し人のい(伊)勢にて出むかひ、ともに旅のあはれをも見、且は吾為に童子となりて道の便りにもならんと、自万菊丸と名をいふ。(略)いでや門出のたはぶれ事せんと笠のうちに落書ス。/乾坤無住同行二人」として掲句と「吉野にて我も見せうぞ檜木笠 万菊丸」が掲載されています。*同年四月二十五日付の惣七(猿雖のこと)宛の芭蕉・万菊(杜国)の書簡に「三月十九日伊賀上野 を出でて」とあります。なお、同じ日に芭蕉が詠んだ句「たび立日 このほどを花に礼いふ別れかな」も残っています。


chatGPT斎 今日の一句  笠つけて 春風に身を ゆだね舞う

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