芭蕉 草の戸も住替る代ぞひなの家 4月22日(旧暦 三月三日)土曜日

 草の戸も住替る代ぞひなの家 芭蕉

元禄二年三月三日(1689年4月22日)、すなわち新旧暦でも同じ334年前*の今日にあたる日の吟詠と考えられます。

芭蕉は奥州行脚に出るにあたり、旅費に充てるためか深川の芭蕉庵を人に譲り渡します。「おくのほそ道」本文以外に「(前略)日比住ける庵を相しれる人にゆづりていでぬ。このひとなむ、つまをぐし、むすめ・まごなどもてるひとなりければ、」との詞書がある掲句(句形は、「草の戸も住かはる世や雛の家」)が残されています。その新しい住み手が桃の節句に飾った雛人形を詠んだものです。

*2023年は芭蕉がおくのほそ道の旅をした元禄二年(1689年)と、新暦、旧暦ともにほぼ同じ年になるという珍しい年にあたります。言い換えれば、今年の季と月の満ち欠けは、芭蕉の生きた元禄二年とほぼ同じになるということです。もちろん、今年の桜の開花がたいへん早かったように年ごとの気候変動は大きいですけれど。


chatGPT斎 今日の一句(掲句の漢詩訳)世事千変草堂移/織物玉雛飾春晴/生命如風,旅人過客情

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