一茶 雉鳴いて梅に乞食の世也けり 4月28日(旧暦 三月九日)金曜日
雉鳴いて梅に乞食の世也けり 一茶
「ことし寛政三年三月二十六日、江戸をうしろになして、おぼつかなくも立出る。小田の蛙ハ春しりがほに騒ぎ、木末の月ハ有明をかすミて、忽旅めくありさま也。」(一茶「寛政三年紀行」)
寛政三年三月二十六日(1791年4月28日すなわち232年前の今日)江戸での吟、一茶29歳。江戸からいったん下総に立ち寄ってのち、生まれ故郷の信州柏原に帰る旅*たちの日です。柏原は、北国街道越後に近い雪深い宿駅です。
おくのほそ道の旅立ち「弥生も末の七日」、「月は有明にて」、「花の梢」、「ことし元禄二とせにや」などを一茶は踏まえています。「途中に立ちならびて」芭蕉を見送った人々は、ここでは「小田の蛙」となって一茶を見送り、一茶は「忽旅めくありさま」。旅立って23日目に「白河の関にかかりて旅心定まりぬ」芭蕉でしたのに…
*一宿一飯を乞いながらの乞食のような旅。
chatGPT斎 今日の一句 雉鳴くや 谷間の夜に 香を立てる

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