一茶 蛙鳴き鶏なき東しらミけり 4月29日(旧暦 三月十日)土曜日

蛙(かはづ)鳴き鶏なき東しらミけり 一茶

寛政七年三月の「十一日、いそぎつるまゝに十二里、有年に泊」と「西国紀行」にあり、同日は1795年4月29日(すなわち228年前の今日)にあたります。

永らく讃岐、伊予に滞在・漂白していた一茶は、三月八日丸亀より船で備前の国に渡り岡山*を経由、二本松から大坂へ向かう途中です「十日、道連に豊前の僧二人あれば、未明に出立して、途中吟/ 蛙鳴き鶏なき東しらミけり」とあり、掲句は、残念ながら今日ではなくて昨日、二本松を出立して詠まれたものです。

*「九日、備前岡山に至ル。此地の風流好るものゝ粗(あらあら)ありといえ共、派違なれば尋ねず。城下一里離れて、二本松の泊。」と一茶は書き残しています。岡山俳壇は美濃派の牙城だったようです。なお、二本松は、現在、岡山市中区藤原にバス停名として残っています。有年は現在の兵庫県赤穂市有年です。

chatGPT斎 今日の一句  蛙鳴く 暁の池の 静けさ

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