一茶 目覚しのぼたん芍薬でありしよな 5月14日(旧暦 三月二十五日)日曜日

 目覚しのぼたん芍薬でありしよな 一茶

「花嬌仏の三回忌俳莚旧懐」と前書あり、文化九年四月四日(1812年5月14日すなわち211年前の今日)、上総富津*で詠まれました。

花嬌は富津の女流俳人で文化七年四月三日没。「七番日記」によりますと、一茶は三月二十八日に富津に入り、三日に花嬌三回忌、四日に花嬌追善会とあります。また、二日後の六日「大晴、白老来」とあり、上総矢那**の高蔵寺(高蔵観音)に芭蕉の句碑(「やがて死ぬけしきはみえず蝉の声」を建立した白老が来訪して、その句を発句に脇起歌仙を二人で巻いています。脇は、 何わすれ草***あかあかと咲く 白老。第三は、むら雨の臼十ばかり月さして 一茶です。

*現在の千葉県富津市富津  **千葉県木更津市矢那 この句碑は現在も高蔵寺に残っています。***藪萱草、朝に開いて夕方にしぼむ一日花で、花屋若芽など食用になる他、葉と根が利尿剤、蕾が熱さましの生薬になる薬草。

chatGPT斎 今日の一句  芍薬の香り 吐くときだけ 目覚める

以下、「(公益社団法人)俳人協会・俳句文学館」HP「今日の一句:2022年05月」の「五月二十六日」欄からの引用です。

しんかんとのおもくなる野澤節子

東京新宿区の薬王院へ牡丹を見に行った。緋牡丹、白牡丹とさまざまな美しさの中、入り口に近いところにあった黒牡丹にことに惹かれた。日差しが重いと感じさせるまでの存在感であった。「しんかんと」という措辞に、黒牡丹を包む重々しさと静けさがある。

 
「野澤節子集」  脚註名句シリーズ二( 六)

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