芭蕉 ほとゝぎす大竹藪をもる月夜 5月17日(旧暦 三月二十八日)水曜日

ほとゝぎす大竹藪をもる月夜 芭蕉 

「嵯峨日記」元禄四年四月二十日(1691年5月17日すなわち332年前の今日)の条、「二十日 北嵯峨の祭見むと、羽紅尼来ル。去来京より来ル。途中の吟とて語る。/つかみあふ子共の長や麥畠 /(略) 竹縁の前に柚の木一もと、花芳しければ、/ 柚の花や昔しのばん料理の間 /ほとゝぎす大竹藪をもる月夜」とあり、次に掲句が記されています。

羽紅尼は、昨日より落柿舎に来ている凡兆の奥さんです。昨日いったん帰った去来も、「菓子・調菜の物など」を持って来訪して、「今宵は羽紅夫婦をとヾめて、蚊帳一はりに上下五人挙リ伏たれば、夜もいねがたうて、夜半過ぎよりをのをの起出て、昼の菓子・盃など取出て、暁ちかきまではなし明ス。」

この日、羽紅は、又や来ん覆盆子(いちご)あからめさがの山 と詠んでいます。

chatGPT斎 今日の一句  妖しい光 竹林を照らす 蛍の夜

以下、「(公益社団法人)俳人協会・俳句文学館」HP「今日の一句:2020年05月」の「五月二十三日」欄からの引用です。

この新樹月光さへもしとす山口青邨

夜の新樹は、黒々として、静かにその若葉の枝を延している。重なりあった若葉は弱々しいが、若葉らしい新鮮さを、その浅緑とを夜の闇の中にひろげている。月光がさしているが、新樹のみずみずしさは、月光の重さにじっと耐えているかのようである。( 透)

 
「山口青邨集」 脚註名句シリーズ一( 二〇)

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