山頭火 衣がへ、虱もいつしよに捨てる 5月2日(旧暦 三月十三日)火曜日

 衣がへ、虱もいつしよに捨てる 山頭火

「行乞記」1932年5月2日(旧昭和七年三月二十七日)の条、「五月は物を思ふなかれ、せんねんに働け、といふやうなお天気である、かたじけないお日和である、香春岳がいつもより香春岳らしく峙つてゐる。早く起きる、冷酒をよばれてから別れる、そつけない別れだが、そこに千万無量のあたゝかさが籠つてゐる。(中略)今日の道はよかつた、いや、うつくしかつた、げんげ、たんぽゝ、きんぽうげ、赤いの白いの黄ろいの、百花咲きみだれて、花園を逍遙するやうな気分だつた、山もよく水もよかつた、めつたにない好日だつた(それもこれもみんな緑平老のおかげだ)、朝靄がはれてゆくといつしよに歯のいたみもとれてきた。」

山頭火は現在の北九州市辺りを行乞中で、この日は呼野(現小倉南区)に宿泊しました。香春をまともに別れていそぐ別れてきて橋を渡るのであるひとりとなつてトンネルをぬける などの句もこの日詠んでいます。

chatGPT斎 今日の一句  衣替え 新しい自分に 向き合う

以下、「(公益社団法人)俳人協会・俳句文学館」HP「今日の一句:2021年05月」の「五月二十七日」欄からの引用です。

へしあとかどち山上樹実雄

竹下夢二の生家が郷土美術館として保存され幾つかの夢二式美人画も展示。薄物を身に愁を含んで夢をみるような大きな眼が何かを訴えている。

「山上樹実雄集」
自註現代俳句シリーズ五( 五五)

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