芭蕉 杜若われに発句のおもひあり 5月6日(旧暦 三月十七日)土曜日 立夏・蛙始鳴*(かえるはじめてなく)

杜若(かきつばた)われに発句のおもひあり 芭蕉 

「知足亭庭前にて」と前書。(「芭蕉翁発句集」)

この句は貞享二年四月四日(1685年5月6日すなわち338年前の今日)、三河鳴海宿の知足亭での九吟二十四句興行での発句です。亭主の知足が付けた脇は、麦穂波寄るうるほひの末 第三は桐葉 二つして笠する烏夕ぐれて

昨年貞享元年八月に江戸を出立(「野ざらし紀行」)した芭蕉は、伊賀上野で越年し、この後熱田・鳴海にしばらく滞在、四月末頃江戸にもどります。なお、熱田・鳴海には前年十一月にも訪れ桐葉や知足らと連句を巻いています。

*貞享暦では、鵑始鳴(ほととぎすはじめてなく)でした。

chatGPT斎 今日の一句  燕子花(かきつばた)に 手を振る影は なんの人

以下、「(公益社団法人)俳人協会・俳句文学館」HP「今日の一句:2023年05月」の「五月三十一日」欄からの引用です。

かきつばたなまけゐる角谷昌子

青少年海外派遣の通訳ボランティアに15年ほど携わり、各国語に挑戦したところ、日本語は本当に舌を動かさない言語だと実感しました。

角谷昌子  角川『俳句』2019年7月号

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