一茶 行々し下手盗人をはやすらん 5月8日(旧暦 三月十九日)月曜日
行々(ぎょうぎょう)し下手(へた)盗人をはやすらん 一茶
文化七年四月六日(1810年5月8日すなわち213年前の今日)、「六日。曇。田川*に入。いづこより来りけん、年四十ぐらゐなる男、郷のせど門ひそひそさまよひけるが、ある垣根に古衣ほしてありけるを、鳶のさらひに袂にかくし迯さりけり。やらじと畠の人々馳よりて、つひに引きとらへツゝ、二ツ手に五尺斗の竹ゆひ添へ、棒縛りといふものにして、(略) 疫神送るやうに鉦鼓打ならして、村はづれの川原に追放ちぬ。其罪にくきハさらに忘れて、いと興ある見ものにぞ。」とし、掲句。(「文化句帖補遺」**)「行々し(子)」はオオヨシキリのことで、その鳴き声からの名です。
写真は北國新聞「名手、華やかに初春彩る 県立音楽堂で新春檜舞台」より。
*現在の茨城県稲敷郡河内町田川。「村はずれの川原」は利根川です。 **「七番日記」にも同様の記事がありますが、「川原」は「川西の堤」になっているなど少し異なっているほか、「日記」の文の末は、掲句ではなく「是、悪を責ることの甚しからざるハ、おのづから聖人の心にかなふべし。」となっています。
chatGPT斎 今日の一句 囃す夜の風に揺れるポットの中
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