其角 競馬埒に入身のいさみ哉 6月10日(旧暦 四月二十二日)土曜日

競馬(くらべうま)埒(らち)に入(いる)身のいさみ哉  其角

「午の年、午の月、むまの日、午の時うけ*に入」と前書。元禄三年(庚午)五月(壬午)四日(甲午)(1690年6月10日)の正午ということになります。競馬会(くらべうまえ)は夏の季語です。

同日同じ前書で百里**が、 有卦に入笑いの皺ぞ酒による と詠んでいます。「御当代記三に、この日「綱吉公有卦に御入被遊候に付、於御城御祝有」とあるそうです。 

*有卦(うけ)とは、ウィキペディアによると「陰陽道において、人の生年の干支を吉凶に当てはめ、それぞれを有卦、無卦と呼ぶ。有卦に入ると、七年間は幸運な時期が続き、その後、五年間は不運となるといわれる。」綱吉の治世後期は確かに大事件や天災地変が相次ぎました。赤穂浪士の討ち入りは元禄十五年(1702年)ですから12年後になり、これ以降元禄十六年の元禄地震、その翌年宝永元年、三年等の浅間山噴火、宝永四年の宝永地震と富士山噴京都大火など続きますので、綱吉の有卦は七年より長かったようです。

**高野百里。同じ蕉門で嵐雪の弟子。

chatGPT斎 今日の一句  競馬 馬たちが笑う 走る人

以下、「(公益社団法人)俳人協会・俳句文学館」HP「今日の一句:2019年05月」の「五月三日」欄からの引用です。

尻の向き正されどほし祭馬阿部子峡

米沢、上杉祭の武者行列、あまりの人出に馬も落ち着かない。

「 阿部子峡集」
自註現代俳句シリーズ九( 一二)

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