芭蕉 五月雨は滝降りうづむみかさ哉 6月14日(旧暦 四月二十六日)水曜日
五月雨は滝降りうづむみかさ哉 芭蕉
曽良の旅日記に「二十七日 曇 芹沢ノ滝ヘ行」とあります。元禄二年四月二十七日(1689年6月14日)のことです。この時の句と江戸時代末にかけて活躍した須賀川出身の女流俳人多代女は推測しています。
俳諧書留に「須か川の駅より東二里ばかりに、石河の滝といふあるいよし。行て見ん事をおもひ催し侍れば、此比の雨にみかさ増りて、川を越す事かなはずといゝて止ければ/五月雨は滝降りうづむみかさ哉 翁/案内せんといはれし等雲と云人のかたへかきてやられし。」 とあり、句の前書としても残されましたので、通常掲句は、阿武隈川の乙字ケ滝(石河の滝)を詠んだものとされ、現在同地に句碑も建っています。ただ、この書留の文章から掲句は石河の滝に行って詠んだのではないことは明らかで、多代女は芹沢ノ滝を詠んだものと考えました。たしかに二十七日の天候は雨の合間の曇で、「五月雨は」と詠んでいるところに違和感があるかもしれませんが、じつは芹沢ノ滝のあるところの地名が「五月雨」といいました。芭蕉はそれが面白いと思ったのではないでしょうか。
chatGPT斎 今日の一句 五月雨の 一滴ずつが 猫の夢
以下、「(公益社団法人)俳人協会・俳句文学館」HP「今日の一句:2023年06月」の「六月十一日」欄からの引用です。
| 本流のもんどりうつて梅雨の滝 | 黒坂紫陽子 |
普段でも水量豊富な滝だが、梅雨のため一層激しい。勢いよく滝口を飛び出した水が、もんどりうって落ちてくる。 「黒坂紫陽子集」 | |

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