芭蕉 麦のほをちからにつかむわかれ哉 6月3日(旧暦 四月十五日)土曜日

麦のほをちからにつかむわかれ哉 ばせを 

「仲夏のころ江戸を出で侍りしに人々送りけるに申し侍りし」と前書があります。

元禄七年五月十一日(1694年6月3日)に、故郷に向けて旅立ちます。寿貞の子供で芭蕉と何らかの血縁関係があると目されている二郎兵衛が同行、品川まで人々に送られた際の留別吟です。老いて衰弱しつつあるなか、弟子と別れ、まだ子供のような二郎兵衛と旅立つ心許なさから、麦藁ならぬ穂でもつかんで力にというおかしみ。(品川あたりは麦畑だったんですねー)ただ、この句が効いたのか曽良が箱根まで付き添って行きます。

なお、掲句は真蹟懐紙に依りましたが「蕉翁句集」等では 麦の穂を便りにつかむ別れかな の句形となっています。

chatGPT斎 今日の一句  麦の穂の 隠れた太陽 謎光る

Bing亭*   今日の一句  わかれ道 君の背中の 秋の空   *今日からBing亭も参加してどちらがが一句披露します。


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