曾良 木の間をのぞく短夜の雨 6月4日(旧暦 四月十六日)日曜日
木の間をのぞく短夜の雨 曽良
昨日、十六日に長らく滞在していた黒羽を発った芭蕉と曽良は、浄法寺桃雪からの書状を携え高久(現在の那須町高久)の大名主角左衛門邸に泊まり、雨の為十七日も引き続き滞在しました。掲句はその日の詠と思われます。
曽良の旅日記俳諧書留に、「那須の篠原を訪ねてなほ殺生石を見んと急ぎ侍るほどに雨降り出でければまづこのところにとどまり候/ 落ちくるやたかくの宿の時鳥* 翁/ 木の間をのぞく短夜の雨 曾良」と、はじめて曽良自身の句が記録されています。しかし、「おくのほそ道」には収録されず、ここまでの旅で「剃捨て黒髪山に衣替」と「かさねとは八重撫子の名成べし」が曽良の句として記載されていますが、ほそ道執筆時の芭蕉の代作ではないかと疑問視されているところです。
元禄二年四月十七日(1689年6月4日)のことです。
Bing亭 今日の一句 短夜や 君と見る月 明けないで
*芭蕉のこの句は、角左衛門への挨拶句ですので前日、到着した日の吟だと思います。
以下、「(公益社団法人)俳人協会・俳句文学館」HP「今日の一句:2019年06月」の「六月二十日」欄からの引用です。
| 短夜や軒うつて雨衰へず | 村田 脩 |
早暁、軒うつ雨音の意外に大きな響きに、明るさにもかかわらずまだ降り募る雨を感じていた。 「 村田 脩集」 | |
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