芭蕉 春を経し七ツの年の力石 7月25日(旧暦 六月八日)火曜日

春を経し七ツの年の力石 芭蕉 

7月20日に紹介しました「おくのほそ道」羽黒山での「有難(ありがた)や」歌仙は、月山登山を挟みながら詠み継がれ、元禄二年六月九日(1689年7月25日)、二折目(19句目)芭蕉の掲句から再開します。歌仙の平句ですから、季は前句「的場のすゑに咲る山吹 釣雪」を受けて春です。20句目は呂(露)丸のが「汲ていただく醒ヶ井の水」と付けています。

七つの時に持ち上げた力石が年経て境内などにある様子を詠んでいます。歌仙中断の間、芭蕉は湯殿山でたくさんの奉納された力石を見たのかもしれません。

同日の曽良の旅日記の条に「花ノ句ヲ進テ、俳、終。」とありますように、羽黒山別当代会覚が35句目「盃のさかなに流す花の浪」と詠み、いよいよ歌仙は満尾することとなります。揚句は「幕うち揚るつばくらの舞 梨水」、梨水は地元羽黒の俳人だそうです。

自成庵謝幾 今日の一句  少年の 軽き寝息や ハローウィン

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