其角 秋鳴スさゝら太鼓や夏神楽 7月27日(旧暦 六月十日)木曜日
秋鳴(なら)スさゝら太鼓や夏神楽 其角
「市中の光陰は、ことさらにいそがはしきを」との前書があります。「花摘」元禄三年六月二十一日(1690年7月27日)の条の句です。
夏神楽は六月晦日の「夏越しの祓」の際に奉納され、本来秋を知らしめるささらや太鼓の音なのですが、早もう鳴っているよ夏神楽といったところでしょうか。穢れを清める茅の輪くぐりが6月の中頃から始められことが多いように、夏神楽もその頃から市中を練り歩き店先や門口でお祓い舞をしていたのでしょう。前書はそのような忙しさと共に、今年になってもう半年過ぎたのか、去年からもう一年たったのかという月日の経つ早さに改めて思いを致して。
なお、この年の六月晦日には、夏祓御師(おし)の宿札たづねけり と其角は詠んでいます。お祓いしてもらうために呼びに行ったのでしょうか。
自成庵謝幾 今日の一句 町に入る 音さまざまに 夏神楽
以下、「(公益社団法人)俳人協会・俳句文学館」HP「今日の一句:2021年06月」の「六月二十九日」欄からの引用です。
| 肘ぬれて雨の形代流しけり | 本多静江 |
形代は男女別ある切り絵の人形。己が名を書き、患部などにこすって流す。茅の輪と共に夏祓の行事。鯖江では川に遠く、篝火に投じて焼く。 「本多静江集」 | |

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