其角 焼鎌を背に暑し田艸取 7月28日(旧暦 六月十一日)金曜日 土潤溽暑(つちうるおいてじょくしょす)

 

焼鎌を背に暑し田艸取 其角

「憫農(のうをあはれむ)」と前書があります。「花摘」元禄三年六月二十二日(1690年7月28日)の条の句です。鎌を後ろ帯に差して、腰を曲げて水田の草取りをしている農民の背に、鉄の刃が夏の日差しに焼け付いたようにぎらついていたのでしょう。

其角には、三囲神社で雨乞い祈祷中農民と一緒になってよんだ 夕立や田を三囲の神ならば もあり、其角の農民へのまなざしはやさしい。

今日は七十二候の土潤溽暑、土の湿り気が蒸発し蒸し暑い気候です。

自成庵謝幾 今日の一句  百年の 届かぬ想い 草を取る

以下、「(公益社団法人)俳人協会・俳句文学館」HP「今日の一句:2020年06月」の「六月十日」欄からの引用です。

みちのくの白(はく)一点り   杉 良介

このころ東北出張が多かった。除草剤のおかげであの苦役から解放されたようだが、ときに草取りの姿もみた。

「杉 良介集」
自註現代俳句シリーズ九( 七)

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