山頭火 かさりこそりと音させて鳴かぬ虫がきた  7月5日(旧暦 五月十八日)水曜日

 

かさりこそりと音させて鳴かぬ虫がきた  山頭火

「行乞記」昭和8年(1933年)7月5日の条に「朝風に病床を払ふ、そして洗濯、掃除、草取、等々。 街へ出かけて買物、それから入浴、どうやらいつもの私になつた。 外へ出ると、ことに田の草取を見ると、炎天だと思ふ。 筍もをはりらしい三本をぬく(うち一本は隣地のを失敬!)ぬいて、すぐむいで、ゆつくり味ふ。 帰宅途上、樹明君来庵、折よく御飯が出来たばかりで、しかも君の最大好物雲丹(これも大山さんのお土産の一つ)があつたので、夕飯をあげる、何とそのうまさうなたべぶり! 夜はおそくまで蚊帳の中で読書、極楽浄土はこゝにあり!」とあり、これでをはりのけさの筍をぬく二本   ぬくめしに雲丹をぬり向きあつてゐる  この日の詠です。

山頭火は、二日の夕方に「焼酎と油揚餅と梅酢との中毒で私は七顛八倒」この日まで其中で臥せっていました。

chatGPT斎 今日の一句  虫と男 釣り合いなく 共に生き

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