蕪村 秋たつや何におどろく陰陽師 8月13日(旧暦 六月二十七日)日曜日 寒蝉鳴(かんぜみなく)
秋たつや何におどろく陰陽師 蕪村
明和八年七月三日(1771年8月13日) 高徳院での「立秋」による題詠。初形は上五「今日の秋」。ただし、この年の立秋は六月二十七日でした。
陰陽師は驚いているのか、いないのか? 観念的ですが、天文学はじめ陰陽道により森羅万象に通暁している「陰陽師」にとって、何も驚くようなことはないというおかしみ詠んでいるように思えます。
同日吟に、貧乏に追い付かれたり今朝の秋 があります。着の身着のままで過ごせた夏が終わり、これからの季節に向けた支度に着物やら蒲団やらを質屋から請け出さなくてはといった庶民感覚の立秋の朝です。「蕪村句集」では 貧乏に追いつかれけりけさの朝 に、そして『蕪村自筆句帳」で 貧乏に追いつかれけれけさの秋 と「貧乏にこそ」の「こそ」が省略された形に直されています。

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