蕪村 羅に遮る蓮のにほひ哉 7月31日(旧暦 六月十四日)月曜日
羅(うすもの)に遮(さへぎ)る蓮(れん)のにほひ哉 蕪村 「 座主の御子の、あなかまとてやをらたち入給ひける、いとたふとくて」 と前書があります。 安永五年六月十六日(1776年7月31日)夜半亭句会、兼題「蓮」による吟詠です。 戸を明て蚊帳に蓮(はちす)のあるじ哉 も同日吟ですが、掲句では「あるじ」が一気に偉くなって天台座主の法親王という設定で、庭前の蓮を題にして句会か歌仙を巻いているところへ、法親王が御簾をあげて「おや、おやかましいことどすなぁ」と闖入されたのです。そのご様子がなんとも尊くて、うすものに隔てられた蓮が匂ってくる。眼前のような仕立てです。「蓮」は「れん」と読ませ「簾」を掛けています。 自成庵謝幾 今日の一句 うすものの とんぼう一匹 無重力 以下、「(公益社団法人)俳人協会・俳句文学館」HP「今日の一句:2019年07月」の「七月十三日」欄からの引用です。 うすものの息づくところ透くところ 大竹きみ江 ひもで腰をしめ、帯で形をととのえると急に息づかいが目に立つ女の夏姿。絽、紗、上布、明石、透きや、など今の若い人がご存知かどうか。 「 大竹きみ江集」 自註現代俳句シリーズ三( 八)